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トーン線数と縮小印刷の実効線数の求め方

原稿を縮小して印刷すると、トーンの網点は細かくなります。縮小率から実際の線数を計算する方法と、クリスタの書き出しで気をつける設定を説明します。

B4で描いた原稿をB5の本にすると、60線で貼ったトーンは約85線の細かさになります。この記事では、その計算方法と、原稿側の線数を逆算する手順を紹介します。ただし、クリスタが書き出し時にトーンを作り直す設定なら線数は変わらないので、最初にそこを確認します。

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実効線数とは

線数(lpi)は、1インチの中に網点が何列並ぶかを表す数字です。網点どうしの間隔は「25.4 ÷ 線数」mmで、60線なら約0.42mm、600dpiの原稿では10pxになります。

原稿を縮小して印刷すると、この間隔も同じ割合で狭くなります。紙の上で数え直した線数が「実効線数」です。読者が目にするトーンの細かさは、原稿に設定した線数ではなく、実効線数で決まります。

縮小しても原稿の画素が減るわけではないので、解像度が足りなくなることはありません。気をつけたいのは、紙の上で網点が小さくなることです。点が小さいほど、インクのにじみや印刷所での縮小処理の影響を受けやすくなります。

先に書き出し設定を確認する

この記事の計算は、網点ができあがった画像をそのまま縮小して印刷する場合のものです。クリスタのトーンは、書き出すときに網点を作り直すこともできます。その場合は、書き出し設定で、線数を[出力倍率に依存する]か[レイヤー設定に従う]かを選べます。

[レイヤー設定に従う]を選べば、縮小して書き出しても、レイヤーに設定した線数のまま出力されます。このときは逆算は不要です。60線を42〜43線に置き換えず、仕上がりで欲しい線数をそのままレイヤーに設定してください。どちらの場合も、全ページを書き出す前に1ページだけ試しておくと安心です。

縮小率から実効線数を計算する

縮小率は「掲載幅 ÷ 原稿幅」、実効線数は「線数 ÷ 縮小率」で求めます。60線のトーンを貼った原稿を、同人誌でよくあるサイズで縮小した例です。

  • B4(257mm)の原稿をB5(182mm)で掲載:縮小率0.708、60線は約84.7線になります。
  • A4(210mm)の原稿をA5(148mm)で掲載:縮小率0.705、60線は約85.1線になります。
  • B5(182mm)の原稿をA5(148mm)で掲載:縮小率0.813、60線は約73.8線です。縮小が小さいぶん、増え方も小さくなります。
  • 同じB4からB5への縮小でも、原稿に85線を貼っていた場合は約120線になります。元の線数が高いほど、縮小後の線数も大きく上がります。

細かくなりすぎたときの考え方

100線の網点間隔は0.254mmで、600dpiでは6pxです。ただ、「100線を超えたら危ない」という決まった境目はありません。網点が保てるかどうかは、濃度、網点の形、用紙、インクの広がり、印刷方式で変わります。低い線数でも濃い部分は潰れることがありますし、条件が合えば100線を超えても再現できます。

迷ったら、印刷所が案内している線数と濃度の範囲に合わせます。解像度を上げると網点を形づくる画素は増えますが、紙の上でインクが広がる現象(ドットゲイン)は防げません。書き出した最終画像を確認し、仕上がりは試し刷りや校正刷りで判断します。

掲載サイズから原稿の線数を逆算する

網点ができあがった画像を縮小する場合で、掲載サイズが決まっているなら、原稿側の線数を逆算できます。

  1. 掲載後に欲しい実効線数を決めます。モノクロ本文なら60線前後が扱いやすい目安です。
  2. 縮小率(掲載幅 ÷ 原稿幅)を求めます。B4原稿をB5で掲載するなら、182 ÷ 257 = 0.708です。
  3. 原稿の線数を「目標の実効線数 × 縮小率」で求めます。60 × 0.708 = 42.5なので、原稿は42〜43線にします。
  4. 求めた線数で、網点の間隔が原稿の解像度に対して細かすぎないか確かめます。600dpiで42.5線なら間隔は約14pxあり、網点の形は十分に描けます。

これから貼るトーンなら、[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[トーン]で開く[簡易トーン設定]の[線数]に、逆算した値を入れます。[濃度]と[角度]も同じ画面で決められ、右のプレビューで網点の様子を確認できます。

[簡易トーン設定]ダイアログ。左に[線数]60.0、[濃度]40%、[種類]の[円]、[角度]45 の入力欄が縦に並び、その下の[サイズ]と[係数]はグレーアウトしている。その右に網点パターンのプレビュー、さらに右上に[OK]と[キャンセル]、最下部に「同じ設定のトーンがあるときはこの一つにまとめる」のチェックボックスがある。
[レイヤー]→[新規レイヤー]→[トーン]で開く[簡易トーン設定]。[線数]には原稿側の線数を入れます。図の60.0は、縮小せずに印刷する場合の値です。画面: CLIP STUDIO PAINT 5.0.4(株式会社セルシス)

すでに貼ってあるトーンの線数を変えるときは、そのレイヤーを選んで、[レイヤープロパティ]パレットの[トーン線数]を直します。角度は、同じパレットの[網の設定]を開くと出てくる[角度]で変えられます。

[レイヤープロパティ]パレット。[効果]のアイコン列で網点のアイコンが選択され、その下に[トーン線数]60.0、[濃度]の[画像の色を使用]、チェックの入った[レイヤーの不透明度を反映]、チェックの入っていない[階調化]、[網の設定]の[円]、そこから展開した[角度]45 が並んでいる。
貼ったあとで線数を変える場所。[トーン線数]は原稿側の線数です。実効線数は縮小率で決まるので、ここには表示されません。画面: CLIP STUDIO PAINT 5.0.4(株式会社セルシス)

画面で見え方を確かめる

トーンプレビューを使うと、線数ごとの網点の間隔を実寸に近い大きさで見比べられます。画面で合わせられるのは「100mmが100mmに見える」といった長さだけです。モニタの画素と網点がぶつかって、実際には無いモアレや濃さのむらが見えることもあります。

そのため、モアレや潰れ、濃さの最終判断は画面ではしません。書き出した画像を100%表示で開いて網点の形を確かめ、刷り上がりは試し刷りや校正刷りで確認します。

出典と確認条件

資料の確認日は2026-09-06です。画面はCLIP STUDIO PAINT 5.0.4のもので、バージョンによって項目名が違う場合があります。