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トーン線数と縮小印刷の実効線数の求め方

B4 原稿を B5 で刷ると 60 線のトーンは約 84.7 線相当になります。縮小率から実効線数を求める式、100 線を超えたときに起きること、掲載サイズから原稿の線数を逆算する手順を、600dpi 原稿の具体的な数値でまとめました。

同じ 60 線のトーンでも、原稿のまま刷るか縮小して刷るかで、紙の上での細かさは変わります。縮小率から刷り上がりの線数(実効線数)を求め、原稿に貼る線数を決めるまでの手順をまとめます。

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実効線数とは何か

線数(lpi)は 1 インチあたりに並ぶ網点の数で、網点の間隔は 25.4 ÷ 線数(mm)で決まります。60 線なら間隔は約 0.42mm、600dpi の原稿の上では 10px です。原稿を縮小して掲載すると、この間隔も同じ比率で詰まります。紙の上で数え直した線数が実効線数で、読者の目に届く細かさを決めているのは、原稿に設定した線数ではなくこちらの値です。

縮小しても原稿の画素が増えるわけではないので、原稿の解像度そのものが不足するわけではありません。問題になるのは「紙の上で網点が小さくなること」で、インクの滲みや印刷所側の縮小処理が、その小さくなった網点に効いてきます。

縮小率から実効線数を計算する

縮小率は 掲載幅 ÷ 原稿幅、実効線数は 線数 ÷ 縮小率 です。間隔が縮小率のぶんだけ詰まるので、線数はその逆数倍になります。同人誌でよくある組み合わせで、60 線のトーンを貼った場合は次のようになります。

  • B4(257mm)原稿を B5(182mm)で掲載する場合、縮小率は 0.708 で、60 線は約 84.7 線相当になります。
  • A4(210mm)原稿を A5(148mm)で掲載する場合、縮小率は 0.705 で、60 線は約 85.1 線相当になります。
  • B5(182mm)原稿を A5(148mm)で掲載する場合、縮小率は 0.813 で、60 線は約 73.8 線相当と、増え方は小さめです。
  • 同じ B4 から B5 への縮小でも、原稿に 85 線を貼っていた場合は約 120 線相当になります。線数を上げてから縮小すると、増える量も比例して大きくなります。

100 線を超えると何が起きるか

実効線数が 100 線を超えたあたりから、モアレと潰れのリスクが大きく上がります。100 線の網点間隔は 0.254mm、600dpi の原稿では 6px しかありません。この細かさになると、次の 2 つが同時に起こりやすくなります。

  • 網点 1 個が小さくなるため、インクの滲み(ドットゲイン)で暗部の網点どうしがつながり、階調が黒へ潰れます。
  • 縮小は印刷所側の処理で行われるので、原稿の網点格子と出力側の網点格子が干渉し、原稿には無かったモアレが紙の上に出ることがあります。

同人誌のモノクロ本文で 55〜70 線がよく使われるのは、この余裕を見込んだ範囲だからです。等倍で刷るなら 85 線でも扱えますが、縮小が入るなら判断は実効線数の側で行ってください。

掲載サイズから原稿の線数を逆算する

掲載サイズが先に決まっているなら、原稿に貼る線数は逆算できます。

  1. 掲載後にしたい実効線数を決めます。モノクロ本文なら 60 線前後が扱いやすい目安です。
  2. 縮小率(掲載幅 ÷ 原稿幅)を求めます。B4 原稿を B5 で掲載するなら 182 ÷ 257 = 0.708 です。
  3. 原稿の線数 = 目標の実効線数 × 縮小率 を計算します。60 × 0.708 = 42.5 なので、原稿側は 42〜43 線に設定します。
  4. 求めた線数の網点間隔が、原稿の解像度に対して細かすぎないかを確認します。600dpi で 42.5 線なら間隔は約 14px あり、網点の形は十分に描けます。

CLIP STUDIO PAINT のトーン設定([レイヤープロパティ]パレットやトーンレイヤーの作成ダイアログ)に入力するのは、この原稿側の線数です。掲載サイズを基準にした線数をそのまま入力すると、縮小後は想定より細かいトーンになります。

画面で見え方を確かめる

数値で決めたあとは、実寸で見え方を確かめます。トーン線数の実寸プレビューでは、用紙・印刷解像度・線数・濃度・角度を入れると紙と同じ大きさで網点が描かれ、縮小印刷の換算欄に原稿サイズと掲載サイズを選ぶと実効線数がそのまま出ます。等倍キャリブレーションを合わせておくと、モニタ上の 100mm が実物の 100mm と一致し、網点の粗さを紙を見る距離で判断できます。重ね貼りのモアレも、角度差を変えながら同じ画面で確認できます。