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トーン線数と縮小印刷の実効線数の求め方

原稿を小さく印刷すると、トーンの細かさはどう変わるのでしょうか。縮小率からの計算方法と、クリスタの書き出し設定で注意する点を説明します。

トーンの点を画像として確定した後で小さく印刷すると、点の間隔も狭くなります。一方、クリスタで書き出すときにトーンを作り直す場合は、線数を保つ設定もあります。まず、この2つの違いを確認してから計算しましょう。

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先に出力時のトーン設定を決める

この記事の縮小式は、網点が確定したラスター画像を物理的に小さく印刷する場合の式です。CSPのトーン効果を出力時に再生成する場合は、コミック向きの出力設定で線数を出力倍率・レイヤー設定のどちらに従わせるか確認してから逆算します。

縮小書き出しで線数をレイヤー設定に従わせる場合は、指定した線数を出力サイズで保つことができます。60線を自動的に42〜43線へ置き換えないでください。以下の逆算は確定した網点間隔そのものを縮める工程に使い、全ページを処理する前に小さな書き出しで確かめます。

実効線数とは何か

線数(lpi)は 1 インチあたりに並ぶ網点の数で、網点の間隔は 25.4 ÷ 線数(mm)で決まります。60 線なら間隔は約 0.42mm、600dpi の原稿の上では 10px です。原稿を縮小して掲載すると、この間隔も同じ比率で詰まります。紙の上で数え直した線数が実効線数で、読者の目に届く細かさを決めているのは、原稿に設定した線数ではなくこちらの値です。

縮小しても原稿の画素が増えるわけではないので、原稿の解像度そのものが不足するわけではありません。問題になるのは「紙の上で網点が小さくなること」で、インクの滲みや印刷所側の縮小処理が、その小さくなった網点に効いてきます。

縮小率から実効線数を計算する

縮小率は 掲載幅 ÷ 原稿幅、実効線数は 線数 ÷ 縮小率 です。間隔が縮小率のぶんだけ詰まるので、線数はその逆数倍になります。同人誌でよくある組み合わせで、60 線のトーンを貼った場合は次のようになります。

  • B4(257mm)原稿を B5(182mm)で掲載する場合、縮小率は 0.708 で、60 線は約 84.7 線相当になります。
  • A4(210mm)原稿を A5(148mm)で掲載する場合、縮小率は 0.705 で、60 線は約 85.1 線相当になります。
  • B5(182mm)原稿を A5(148mm)で掲載する場合、縮小率は 0.813 で、60 線は約 73.8 線相当と、増え方は小さめです。
  • 同じ B4 から B5 への縮小でも、原稿に 85 線を貼っていた場合は約 120 線相当になります。線数を上げてから縮小すると、増える量も比例して大きくなります。

細かい網点は出力条件に合わせて確認

100線の間隔は0.254mmで、600dpiの出力では6画素に相当します。これはサンプリングの例であり、一律の危険境界ではありません。濃度・網点形状・用紙・インキの広がり・印刷方式によって、点や白い隙間がどこまで保たれるか変わります。低い線数でも濃い面は潰れ得ますし、適した印刷条件なら100線を超えて再現できます。

線数と濃度は印刷所の推奨範囲を優先します。画像解像度を上げれば点を構成する画素は増えますが、物理的なドットゲインは消えません。再サンプリング後の最終画像を確認し、印刷の判断には校正を使います。

掲載サイズから原稿の線数を逆算する

確定した網点間隔を縮める工程で、掲載サイズが先に決まっている場合に限り、原稿側の線数を次のように逆算できます。

  1. 掲載後にしたい実効線数を決めます。モノクロ本文なら 60 線前後が扱いやすい目安です。
  2. 縮小率(掲載幅 ÷ 原稿幅)を求めます。B4 原稿を B5 で掲載するなら 182 ÷ 257 = 0.708 です。
  3. 原稿の線数 = 目標の実効線数 × 縮小率 を計算します。60 × 0.708 = 42.5 なので、原稿側は 42〜43 線に設定します。
  4. 求めた線数の網点間隔が、原稿の解像度に対して細かすぎないかを確認します。600dpi で 42.5 線なら間隔は約 14px あり、網点の形は十分に描けます。

この逆算値をCSPのトーン設定へ入れるのは、確定した網点間隔を縮める工程の場合です。トーン効果を出力時に生成して[レイヤー設定に従う]場合は、最終的に欲しい線数をレイヤーへ設定し、逆算値を重ねて適用しないでください。

これから貼るなら、[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[トーン]で[簡易トーン設定]が開くので、[線数]に逆算した値を入れます。[濃度]と[角度]も同じダイアログで決められ、入れた値は右のプレビューにそのまま網点として出ます。

[簡易トーン設定]ダイアログ。左に[線数]60.0、[濃度]40%、[種類]の[円]、[角度]45 の入力欄が縦に並び、その下の[サイズ]と[係数]はグレーアウトしている。その右に網点パターンのプレビュー、さらに右上に[OK]と[キャンセル]、最下部に「同じ設定のトーンがあるときはこの一つにまとめる」のチェックボックスがある。
[レイヤー]→[新規レイヤー]→[トーン]で開く[簡易トーン設定]。[線数]に入れるのは原稿側の線数で、図の 60.0 は等倍で刷る場合の値です。画面: CLIP STUDIO PAINT 5.0.4(株式会社セルシス)

すでに貼ってあるトーンの線数を変えるときは、そのレイヤーを選び、[レイヤープロパティ]パレットの[トーン線数]を直します。角度は同じパレットの[網の設定]を開いた中の[角度]です。

[レイヤープロパティ]パレット。[効果]のアイコン列で網点のアイコンが選択され、その下に[トーン線数]60.0、[濃度]の[画像の色を使用]、チェックの入った[レイヤーの不透明度を反映]、チェックの入っていない[階調化]、[網の設定]の[円]、そこから展開した[角度]45 が並んでいる。
貼ったあとに線数を変える場所。[トーン線数]が原稿側の線数で、実効線数は縮小率で決まるためここには出てきません。画面: CLIP STUDIO PAINT 5.0.4(株式会社セルシス)

画面で見え方を確かめる

トーンプレビューでは線数と網点間隔の関係を比較できます。較正で揃うのは画面上の100mmなどの物理的な長さだけです。モニタの画素格子が網点と干渉して偽のモアレや濃度の変化を生むため、画面の模様だけで印刷のモアレ・潰れ・濃度を判定しないでください。最終書き出しを100%で開いて点の形を確認し、刷り上がりは指定条件の試し刷りや校正で確認します。

出典と確認条件

資料確認日: 2026-09-06。既存の掲載画面はCSP 5.0.4で、項目名はバージョンにより異なる場合があります。