CSP Web Tools

クリスタ3Dカメラのパース値計算機

焦点距離・センサーサイズからクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)3Dカメラのパース値と画角を無料で計算。写真と同じ画角を3Dデッサン人形や背景素材の配置に再現できます。

レンズの焦点距離とセンサーサイズから、CLIP STUDIO PAINT の 3D レイヤーに入力するパース値と、水平・垂直・対角の画角を計算します。写真で見た構図をそのまま 3D 素材の見え方へ持ち込むためのツールです。

基本

このツールでできること

焦点距離・基準センサー幅・キャンバスサイズを入れると、水平画角と、CLIP STUDIO PAINT の 3D カメラのパースに相当する値が同時に出ます。焦点距離・水平画角・CSP 3Dカメラ パース値の 3 つは同じレンズを別の言い方で表したものなので、どれを書き換えても残り 2 つが追従します。手元の写真の焦点距離が分かっていれば、その画角に合う CSP のパース値がそのまま得られます。パース値は垂直画角から決まるので、同じ焦点距離でもキャンバスの縦横比が変わればパース値も変わります。

作画のどの工程で使うか

  • 写真資料を下敷きにして背景を描くとき、資料と同じ画角に 3D 素材を合わせる
  • 3D 下描きから起こしたパースと、手描きのパース定規の見え方を揃える
  • 広角レンズらしい誇張をどこまで付けるか、パース値を振って当たりを付ける

使い方

  1. キャンバス幅・高さに、実際に描くキャンバスのピクセル数を入れます。
  2. レンズの欄で、分かっている値をひとつだけ入力します。焦点距離が分かっていれば焦点距離へ、資料の画角が分かっていれば水平画角へ入れます。24/35/50/85/135mmのクイックボタンなら1タップです。
  3. センサープリセットは、35mm 換算の焦点距離を使うならフルサイズのままで構いません。実機のカメラに合わせたいときだけ変更します。
  4. よく使う設定一式は、マイプリセットに名前を付けて保存しておくと次回から呼び出せます。
  5. 出力パネルの導出手順にある「CSP 3Dカメラ パース推定値」を読み取ります。
  6. CLIP STUDIO PAINT で 3D レイヤーを選び、ツールプロパティのパースの値をその数値に合わせます。

入力項目の意味

焦点距離
レンズの焦点距離(mm)です。基準センサー幅と組み合わせて初めて画角が決まるので、この値だけでは画角は決まりません。
水平画角
計算フレームの左端から右端までを見込む角度(度)です。透視投影として意味のある 0 度より大きく 180 度未満の範囲だけを受け付けます。
CSP 3Dカメラ パース値
CLIP STUDIO PAINT の 3D レイヤーに入力する値です。値が大きいほど画角が広く、小さいほど狭くなります。実機で測ったところ、この値は垂直画角(キャンバスの高さ方向の画角)に紐づいていました。
基準センサー幅
焦点距離を画角へ換算するための参照値です。CSP 内部のセンサー仕様ではなく、あくまで「何 mm 幅のセンサーに載せたレンズとして考えるか」の基準です。
センサーフィット
センサー寸法をフレームのどちらの辺に当てるかの選択です。横・縦・自動があり、自動はフレームの長辺に当てます。
実カメラのセンサー高さを指定
通常、有効センサー高さは計算フレームの縦横比から導きます。実機のフレームに合わせたいときだけ、この項目で高さを直接入力します。
計算フレームを手動指定
キャンバス全体ではなく、その一部だけをカメラの写る範囲として扱うときに使います。コマ枠の中だけを画面として計算する場合が該当します。

結果の読み方と CLIP STUDIO PAINT への持ち込み方

結果の読み方

出力パネルの上段は「基準カメラ(焦点距離と有効センサー寸法) → 画角 → パース値」の 3 行で、CLIP STUDIO PAINT へ渡す数値がどこから来ているかを追えるようになっています。下段には水平画角・垂直画角・対角画角・有効センサー寸法・計算フレーム・px 換算焦点距離・フレーム中心が並びます。

  • 「CSP 3Dカメラ パース推定値」の行が、CLIP STUDIO PAINT へ持ち込む数値です。
  • パース値を直接決めているのは垂直画角です。キャンバスの縦横比を変えると垂直画角が変わるので、パース値も変わります。
  • 水平px換算焦点距離・垂直px換算焦点距離は、他の 3D ソフトや写真測量ツールでカメラを合わせるときに使えます。

CLIP STUDIO PAINT への持ち込み方

CLIP STUDIO PAINT 公式マニュアルの手順に沿うと、パース推定値は次の流れで 3D 素材に反映できます。

  1. [素材]パレットから、配置したい 3D 素材(デッサン人形・背景など)を選び、キャンバスへドラッグ&ドロップします。読み込みと同時に、3D レイヤーが新規作成されます。
  2. [オブジェクト]ツールで、そのレイヤー内の 3D 素材を選択します。
  3. [ツールプロパティ]パレット、または下部の詳細アイコンから開く[ツール詳細]パレット(Ver.5.0 で[サブツール詳細]から改称)で「カメラ」カテゴリを開きます。
  4. 投影方法が「透視投影」になっていることを確認し、「パース」の欄に、このツールで得た「CSP 3Dカメラ パース推定値」を入力します。
  5. カメラの位置・角度(アングル)を動かしても、変わるのは構図(何がどう写るか)だけでパースの値ではありません。構図はカメラの移動・回転で、レンズの広さの誇張度合いはパースの数値で、それぞれ別に調整します。
[ツール詳細]パレット。左のカテゴリ一覧で[カメラ1]が選択され、右側に[使用中のカメラ]、[アングル]、[投影方法]の[透視投影]と[平行投影]の切り替え([透視投影]が選択)、[パース]20.00、グレーアウトした[平行投影のスケール]、[ロール]0、[カメラ位置]の X・Y・Z が縦に並んでいる。
手順 3〜4 で開く[ツール詳細]パレット。[投影方法]を[透視投影]にしてから[パース]へ数値を入れます。画面: CLIP STUDIO PAINT 5.0.4(株式会社セルシス)

公式マニュアルは「パース」を、3D 素材に遠近感を付ける設定として説明しており、スライダーの数値が大きいほど画角が大きく、小さいほど画角が小さくなるとしています。この向きは、このツールが出す推定値と一致します。

仕組みと制約

計算の根拠

画角は FOVx = 2 × atan(センサー幅 ÷ (2 × 焦点距離)) で求めます。垂直画角と対角画角には、計算フレームの縦横比から導いた有効センサー高さ(= センサー幅 × フレーム高さ ÷ フレーム幅)を使います。px 換算焦点距離は フレーム幅 ÷ (2 × tan(FOVx ÷ 2)) です。CSP のパース値は垂直画角から パース値 = 17.636 × tan(FOVy ÷ 2)、逆算は FOVy = 2 × atan(パース値 ÷ 17.636) で求めます。この係数 17.636 と「垂直画角が基準である」ことは、どちらも CLIP STUDIO PAINT 5.0.4 の実機で測って確かめた事実です。内部計算はすべてラジアンで行い、表示のときだけ度へ直しています。

精度と対象外のこと

焦点距離から画角を出す部分は、Blender 3.6 を実際に動かして検証しています。焦点距離・センサーサイズ・センサーフィット・キャンバス比率を組み合わせた 600 通りで、Blender が実際に描く投影と画角が一致すること、既知の点を投影した画素位置まで一致することを確認し、テストで固定してあります。パース値への換算も、CLIP STUDIO PAINT 5.0.4 の実機で測った値に基づいています。

パース値の換算式は公式のものではありません。CLIP STUDIO PAINT の公式ガイドは「パースは値が大きいほど画角が広い」と説明するだけで、焦点距離やセンサーサイズへの換算式は示していないためです。そこで実機を測りました。校正用の立方体を 3D レイヤーとして読み込み、パースを 5・8・12・20 に設定して書き出した画像から、消失点をたどって実際の画角を求めています。1600×1600px の正方形キャンバスで係数 17.636 が決まり(4 点でのばらつき 0.02%)、続いて 2400×1350 と 1350×2400 でも測り直したところ、3 形状とも垂直画角が 97.17〜97.18 度で一致したため、基準の軸が垂直画角だと確定しました。

以前は CLIP STUDIO TIPS のユーザー記事に基づく「10 × 水平画角のタンジェント」という推定式を使っていました。旧式と新式が一致するのは横縦比 1.764 のキャンバスのときだけで、これは 16:9(1.778)とほぼ同じです。つまり旧式は、軸を取り違えていたために 16:9 前後でだけ偶然ほぼ正しかったことになります。このツールの初期キャンバスは 1920×1080 なので初期設定のままなら差はごくわずかですが、正方形や縦長では大きく外れ、例えば 1600×1600 のパース 5 は実際には 31.66 度なのに 53.13 度としていました。最終的な見え方は CSP 上で 3D 素材を置いて確認してください。

  • レンズの歪曲収差(樽型・糸巻き型)は扱わず、理想的な透視投影として計算します。
  • パース定規の自動生成は行いません。CSP の通常のパース定規はカメラモデルではなく、アイレベルと消失点で作るものです。

入力データの扱い

計算はすべてブラウザの中だけで行い、入力した数値を外部に送信することはありません。入力内容はブラウザの localStorage に保存されるため、次に開いたときは前回の設定から再開できます。保存された値を消したいときは、ブラウザのサイトデータを削除してください。

よくある質問

CSP のどこにこの値を入力するのですか?

3D レイヤーを選択した状態で表示される、カメラ設定のパースの値です。

写真の Exif に書かれた焦点距離をそのまま入れてよいですか?

センサープリセットを撮影に使ったカメラのセンサーサイズに合わせれば、そのまま入れて構いません。35mm 換算値を使う場合はフルサイズを選んでください。

キャンバスサイズを変えるとパース値も変わりますか?

変わります。パース値は垂直画角から決まり、その垂直画角は計算フレームの縦横比から導いた有効センサー高さで決まるためです。焦点距離が同じでも、横長のキャンバスほどパース値は小さく、縦長のキャンバスほど大きくなります。なお CSP の 3D レイヤーは作成時の投影を保持し、あとからキャンバスサイズを変えても見え方は計算し直されません(実機で確認済み)。キャンバスを変えたら 3D レイヤーを作り直してください。

CSP のパース値から逆に焦点距離を知ることはできますか?

できます。パース値の欄に現在使っている数値を入れると、焦点距離と水平画角が逆算されます。ただし逆算も垂直画角を経由するので、キャンバスサイズは CSP 側と揃えておいてください。

CLIP STUDIO PAINT の入手について

CLIP STUDIO PAINT とはどんなソフトか

CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)は、株式会社セルシスが開発しているイラスト・マンガ・アニメーション制作用のペイントソフトです。汎用の画像編集ソフトとの違いは、ペン入れに向いた筆圧設定、コマ割りとフキダシ、トーン、3D 素材、パース定規といった、紙と印刷を前提にした制作機能が最初から入っている点にあります。Windows・macOS・iPad・iPhone・Android・Chromebook で動きます。

体験版と購入の選択肢

  • 公式サイトで無料の体験版が配布されています。描き味と必要な機能を自分の環境で確かめてから判断できます。
  • グレードは PRO と EX の 2 つで、複数ページのマンガ原稿を 1 つの作品としてまとめて扱う機能が要るかどうかが主な分かれ目です。
  • 買い方は買い切りの一括払いと、月額・年額のプランがあります。使える端末の種類と台数はプランによって変わります。
  • 価格・プランの構成・対応端末は改定されることがあるため、最新の条件は公式サイトで確認してください。

このツールと CLIP STUDIO PAINT の関係

このページのツールはブラウザだけで動くので、CLIP STUDIO PAINT を持っていなくても計算や書き出しはそのまま使えます。ただしここで得られるのは CLIP STUDIO PAINT へ持ち込むための材料で、出力されるパース推定値は、CLIP STUDIO PAINT の 3D レイヤーに入力して初めて絵に反映されます。考え方の部分は他のペイントソフトにも流用できますが、数値と書き出しは CLIP STUDIO PAINT に合わせて作ってあります。