画像に使われている主な色を取り出して、配色の見本(パレット)を作るツールです。色どうしの違いや、背景の上で文字が読みやすいかも、数値で確かめられます。作ったパレットは、画像やJSONなどのファイルで保存できます。
基本
このツールでできること
画像から主な色を取り出し、それぞれの色がどれくらいの面積で使われているかを表示します。よく似た色どうしには印が付きます。
取り出す色の数を変えたり、背景の色を除いたり、似た色をまとめたりできます。肌色や赤系など、特定の色だけを取り出すこともできます。
- W3C: WCAGのコントラスト基準 — 公式資料・2026-09-06確認
こんなときに使えます
- イラストや資料写真から、配色の骨組みを数値として取り出したいとき
- キャラクターや作品ごとの色を決めて、何枚もの絵で使い回したいとき
- 肌のベース・影・チークを分けて取り出し、影が濁っていないか、赤みが強すぎないかを確かめたいとき
- 好きな作品の肌の塗りを、色の数や色の差から研究したいとき
- 選んだ色が線や文字として読めるか、似た色が増えすぎていないかを確かめたいとき
使い方
- 画像を読み込み、[抽出色数]を決めます。
- 肌だけ、青系だけなど、特定の色を見たいときは[抽出範囲]を選びます。一覧にない色は、「カスタム色域」で[基準色]と近さを指定します。
- 似た色ばかりが並ぶときは、[統合の強さ]を上げます。どこまでまとめるかの数値が、その場に表示されます。
- 背景が画面の大部分を占める絵では、「背景色を除外」をオンにします。
- くすんだ色をグレーとしてまとめたいときは、「低彩度の色を無彩色にまとめる」をオンにします。
- パレットの色ごとのカードで、面積の割合・最短色差・明度・白と黒の背景でのコントラスト比を確認します。
- [並び順]を選ぶか、手で並べ替えたら、JSON・CSS・CSV・PNGのどれかで書き出します。
入力項目の意味
- 抽出色数
- 取り出す色の数(2〜12)です。似た色をまとめると減るので、実際に並ぶ色の数はこれより少なくなることがあります。
- 抽出方法
- 「バランス(K-means)」は、画像で多く使われている色を中心に取り出します。全体の配色を知りたいときに向いています。面積の小さい差し色も残したいときは、「アクセント重視(メディアンカット)」を試してください。
- 抽出範囲
- 取り出す色を、肌色や赤系などに絞ります。「肌色」は淡いピンクやオレンジから褐色までが対象で、鮮やかなオレンジや黄色は外れます。どんな肌色でも正しく選べるわけではないので、結果を見ながら調整してください。
- 基準色と近さ
- 「カスタム色域」で、基準にする色と、それにどれくらい近い色まで取り出すかを決めます。数値を大きくすると、範囲が広がります。近さはOKLabという方法で計算した数値で、人が見分けられるかどうかを表すものではありません。
- 統合の強さ
- 似ている色を1色にまとめる基準です。数値を大きくするほど、違いの大きい色までまとめます。色の近さはOKLabという方法で計算します。
- 背景色を除外
- 画像のふちの色から背景の色を推定し、その色に近い色を取り出す対象から外します。ふちの色がそろっていない画像では背景を推定しないので、この設定は効きません。
- 低彩度の色を無彩色にまとめる
- 鮮やかさが基準より低い色から色みを抜いて、グレーに寄せます。明るさの差は残るので、白と黒が1色にまとまることはありません。
- 最短色差
- その色と、パレットの中でいちばん近い色との差です(OKLabで計算)。0.02を下回ると「近似色候補あり」の印が付きます。
- コントラスト比(白 / 黒)
- 白い背景に置いたときと、黒い背景に置いたときのコントラスト比です。4.5:1以上ならふつうの文字、3:1以上なら大きな文字や図形に使える目安です。
結果の読み方と CLIP STUDIO PAINT への持ち込み方
数値の使い方
- 面積の帯は、その色が画像の中で占める割合です。大きい色がメインの色、数%しかない色が差し色です。差し色のつもりの色がメインの色と同じくらいの面積なら、差し色として目立っていません。
- 最短色差が0.02未満なのは、似すぎていないか見直す目安です。見分けられないという意味ではありません。絵の中でその2色の役割を比べて、必要なら明るさや鮮やかさを離します。わざと似せた色なら、そのままでかまいません。
- コントラストの集計には、実際に使う背景の色を選んでください。カードの「白 / 黒」は、それとは別の参考値です。WCAGの基準(ふつうの文字は4.5:1、大きな文字は3:1)は、文字とその背景との比で、イラスト全体の良し悪しを決めるものではありません。
- [抽出範囲]を絞っているときは、パレットの上に、どの範囲から取り出したかが表示されます。対象の画素が64pxに満たないときは、そのことも表示されます。
- CSVには、色ごとのHEX・RGB・画素数・面積の割合・最短色差・コントラスト比が入ります。
クリスタの[カラーセット]パレットに登録する
クリスタの[カラーセット]パレットは、[ウィンドウ]メニュー→[カラーセット]で表示します。[色の追加]は「今選んでいる描画色」を追加する機能なので、登録したい色を先に描画色にしておきます。
- パレットのメニューから[カラーセットの編集]を開き、[新規設定を追加]で空のセットを作ります。もとからあるセットはそのまま残せます。
- [ウィンドウ]メニュー→[カラーサークル]でパレットを出し、メインカラーのアイコンをダブルクリック(ダブルタップ)して、[色の設定]ダイアログを開きます。
- ダイアログの[HEX]欄に、このツールのHEXを入れます。RGBの欄にR・G・Bの値を入れても同じです。
- [カラーセット]パレットの[色の追加]を押すと、今の描画色が追加されます。並べたい順に、1色ずつ繰り返します。
- 間違えた色は、正しい描画色にしてから[色の置き換え]で直せます。いらない色は[色の削除]で消せます。
- できあがったセットは、クリスタのカラーセットファイル(拡張子.cls)か、Adobe Photoshopのスウォッチとして書き出せます。別の端末や次の作品でも使えます。
![上段は[カラーセット]パレット。上部のドロップダウンで[標準カラーセット]が選ばれ、その下に色見本のタイルが並ぶ。下段は[カラーセットの編集]ダイアログで、設定の一覧と[新規設定を追加][デフォルト設定を追加][現在の設定を複製][削除][設定名の変更]のボタンが並んでいる。](/articles/color-set-ja.png)
色見本のPNGからスポイトで拾う
- 書き出した色見本のPNGをキャンバスに読み込み、[スポイト]ツールで色をクリック(タップ)すると、その色が描画色になります。ペンや筆を選んでいるときは、[Alt]キーを押しながらクリックしても同じです。
- 拾った色をそのまま[色の追加]すれば、HEXを打ち直さずにセットを作れます。[カラーセット]パレットのメニューで[スポイト取得色の自動登録]をオンにしておくと、スポイトで拾った色が自動で登録されます。
- ほかの画像と重なっていて色がうまく拾えないときは、[ツール詳細]パレットで、どのレイヤーから色を拾うかの設定を見直します。
- 書き出したCSSやJSONのHEXを使うときも、入力する場所は同じ[色の設定]ダイアログの[HEX]欄です。このツールはクリスタのカラーセットファイルを書き出せないので、CSVをクリスタに直接読み込むことはできません。
クリスタの[色の設定]ダイアログには、以前からL*a*b*の欄があります。Ver.5.1では、カラースライダーにLabが加わり、カラーサークルやカラーセットのパレットの下にLabの値も表示されるようになりました。ただ、このツールが使っているのはL*a*b*(CIELAB)ではなく、OKLabという別の仕組みです。同じ色でも数値は一致しないので、このツールの色差や明度の数値を、クリスタのL*a*b*欄に入れないでください。色を移すときは、HEXを使えば同じ色になります。
仕組みと制約
詳しい仕組み
色の取り出しは、画像を長い辺が160pxになるまで縮小してから行います。似た色のまとまりを探すK-meansという方法を、OKLabという色の表し方の上で10回くり返します。OKLabを使うのは、見た目にほとんど同じ白やベージュを、別々の色として残さないためです。
探し始めの色は乱数では選ばず、「面積 × すでに選んだ色からの距離の2乗」がいちばん大きい色から順に決めます。そのため、同じ画像なら毎回同じパレットになります。
[抽出範囲]の判定は、色を取り出す前に行います。画素ごとに色相・鮮やかさ・明るさ(OKLCh)を求めて、範囲に入るかを見ます。似た色をまとめるときは、2つのグループの中でいちばん遠い色どうしの差で判断します。いちばん近い色どうしで判断すると、少しずつ違う色が次々につながって、パレットが1色にまとまってしまうからです。コントラスト比は、WCAGの計算方法で求めています。
確認できること・できないこと
色の取り出しは、画素を数えた結果です。「絵として大事な色」ではなく、「面積の大きい色」が優先されます。小さな差し色は、[抽出色数]を増やさないと拾われないことがあります。1画素だけの色や細い線の色は、縮小したときに消えてしまいます。
- 色はsRGBとして扱います。印刷したときの色は、クリスタで印刷所のカラープロファイルを使ってプレビューし、大事な色は校正刷りで確かめてください。このサイトの入稿前チェックも、印刷の色を予測するものではありません。
- [抽出範囲]は色の値だけで判断するので、肌と木の色、茶色い髪のように色が重なるものは区別できません。
- このツールからは、クリスタのカラーセットファイルやAdobeのスウォッチ形式では書き出せません。
- 背景の色は、画像のふちでいちばん多い色から推定します。[抽出範囲]を絞ると、ふちの画素も減るので、背景の色が推定されなくなることがあります。
画像と入力データの扱い
画像はブラウザの中で解析します。編集した色と取り出しの設定は端末に保存され、共有リンクにも含まれます。JSONを書き出してこのツールに読み込めば、別の端末でも続きから作業できます。元の画像は保存やリンクに含まれないので、必要なら選び直してください。
よくある質問
同じ画像なら、毎回同じパレットになりますか?
なります。探し始めの色を乱数で選んでいないので、同じ画像と同じ設定なら、結果も同じです。
似た色ばかり並んでしまいます。
[統合の強さ]を上げてください。0.02を超えたあたりから、はっきりまとまり始めます。背景が広い絵では、「背景色を除外」も効きます。
パレットに色を手で足せますか?
足せます。「色を追加」を押すと灰色のカードが増えるので、HEXを入れて色を変えてください。
肌色だけを取り出すと、何がわかりますか?
肌のベース・影・チークが、それぞれ何色でできているかを分けて見られます。自分の絵なら影が濁っていないかの確認に、ほかの作品なら肌の配色の研究に使えます。
肌色を選んだのに、色が出てきません。
その画像に、肌色の範囲に入る画素がありません。鮮やかさを強くしたアニメ塗りの肌は、範囲から外れることがあります。「カスタム色域」に切り替え、肌の色を[基準色]にして、近さの数値を広げてください。
CLIP STUDIO PAINT の入手について
CLIP STUDIO PAINT とはどんなソフトか
CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント、通称クリスタ)は、株式会社セルシスが開発している、イラスト・マンガ・アニメーション制作用のペイントソフトです。ペン入れに向いた筆圧の設定、コマ割りやフキダシ、トーン、3D素材、パース定規など、紙の原稿や印刷を前提にした機能がはじめからそろっています。Windows・macOS・iPad・iPhone・Android・Chromebookで使えます。
体験版と購入の選択肢
- 公式サイトで、無料の体験版が配布されています。描き心地や必要な機能を自分の環境で試してから決められます。
- グレードはPROとEXの2つです。何ページもあるマンガを1つの作品としてまとめて扱う機能が必要かどうかが、主な違いです。
- 買い方は、一度払えばずっと使える買い切りと、月額・年額のプランがあります。使える端末の種類と台数は、プランによって違います。
- 価格やプランの内容、対応端末は変わることがあるので、最新の情報は公式サイトで確認してください。
このツールと CLIP STUDIO PAINT の関係
このツールはブラウザだけで動くので、クリスタを持っていなくても使えます。ただ、ここでできるのは色を取り出して整理するところまでです。取り出した色は、クリスタのカラーセットに登録するか、書き出した色見本のPNGからスポイトで拾って使います。考え方は他のソフトにも使えますが、手順や書き出しはクリスタに合わせています。