トーンを重ねたり、原稿を縮小したりすると、描いていないしま模様が出ることがあります。これが「モアレ」です。原因は主に、角度のずれ、線数の違い、縮小の3つです。画面の表示だけに出る見かけのモアレもあるので、見分け方もあわせて説明します。
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重ねるトーンは線数と角度をそろえる
網点は規則正しく並んだ点の集まりです。並び方の違う網点を重ねると、点どうしがずれて、元の絵には無いしまやうねりが出ます。モノクロ原稿でトーンを重ねるときは、重なるレイヤーの線数と角度を同じにするのが基本です。
線数と角度をそろえると、点がぴったり重なって、重ねても濃くならないことがあります。そのときは角度を変えずに、トーンの柄の位置を少し動かして点をずらします。角度を30度や45度ずらす方法はカラー印刷の色版で使うもので、モノクロの重ね貼りでは防止策になりません。
たとえば2枚とも60線・45度にすれば、2枚の角度の差は0度です。クリスタの[角度]欄に入れるのは各レイヤーの角度で、トーンプレビューの[2枚の角度差]は、その名のとおり2枚の角度の差です。混同しないように注意してください。
角度がずれるとしまの間隔はどうなるか
同じ線数の網点を、角度をθだけずらして重ねると、しまの間隔はおよそ「d ÷ (2 × sin(θ ÷ 2))」になります。dは網点の間隔です。60線ならdは約0.423mmなので、5度のずれで約4.85mm、15度で約1.62mm、45度で約0.55mmになります。
この式は、しまがどれくらいの間隔で出るかを知るための目安です。印刷して大丈夫かどうかを判定する基準ではありません。45度ずらすとしまの間隔は短くなりますが、それを理由にモノクロの重ね貼りで45度ずらすのはおすすめしません。角度の差が0度(網点は正方形に並ぶので90度も同じ)のときは、点の並びがそろうので、しまは出ません。
線数の違いと縮小
角度が同じでも、線数が違うトーンを重ねるとしまが出ます。同じ向きの60線と65線なら、しまの間隔の目安は 25.4 ÷ (65 − 60) = 5.08mmです。重ねるトーンは線数をそろえましょう。重ならない別の場所で違う線数を使うのは問題ありません。
網点ができあがった画像を縮小すると、網点の間隔も狭くなります。60線の画像をB4幅からB5幅に縮めると、約84.7線になります。一方、クリスタが書き出し時にトーンを作り直す場合は、線数を[出力倍率に依存する]か[レイヤー設定に従う]かで結果が変わります。逆算する前に、どちらで書き出すかを確認してください。
できあがった網点を、印刷所が網点に変換し直す工程でもモアレは出ます。2値とグレースケールのどちらで入稿するかは、印刷所の指定に従ってください。
クリスタでの確認手順
- 重なるトーンレイヤーを選び、[レイヤープロパティ]で線数と角度をそろえます。60線・45度なら、両方とも同じ値にします。
- 点が重なって濃くならないときは、角度はそのままで、柄の位置を動かします。
- 印刷所が指定するサイズと解像度でコピーを書き出し、トーンの出力設定を確認します。書き出した画像を何度も拡大・縮小しないようにします。
- 書き出した画像を100%表示で開いて網点の形を見ます。濃さは、実寸に合わせた画面表示や試し刷りで確かめます。何線までなら安全という決まった境目はなく、用紙・濃度・解像度・印刷方式によって変わります。
![[レイヤープロパティ]パレット。[効果]のアイコン列で網点のアイコンが選択され、その下に[トーン線数]60.0、[濃度]の[画像の色を使用]、チェックの入った[レイヤーの不透明度を反映]、チェックの入っていない[階調化]、[網の設定]の[円]、そこから展開した[角度]45 が並んでいる。](/articles/layer-property-tone-ja.png)
![[簡易トーン設定]ダイアログ。左に[線数]60.0、[濃度]40%、[種類]の[円]、[角度]45 の入力欄が縦に並び、その下の[サイズ]と[係数]はグレーアウトしている。その右に網点パターンのプレビュー、さらに右上に[OK]と[キャンセル]、最下部に「同じ設定のトーンがあるときはこの一つにまとめる」のチェックボックスがある。](/articles/new-tone-layer-ja.png)
ブラウザのプレビューでわかること
トーンプレビューの重ね貼りで、[2枚の角度差]の初期値が15度になっているのは、しまの出方を観察するためです。0度と見比べて仕組みを理解するための値なので、クリスタの設定にそのまま使わないでください。クリスタの柄の位置調整や、印刷所での製版の工程は再現していません。
実寸で表示すると、モニタ上の網点の間隔が1〜2画素しかないことがあります。すると、モニタの画素と網点がぶつかって、実際には無いモアレが見えたり、細かい部分が消えたりします。表示の倍率を変えると模様が変わるなら、それは画面表示だけの現象です。画面を実寸に合わせても、合うのは長さだけで、600dpiの印刷と同じ細かさで見えるわけではありません。
出典と確認条件
資料の確認日は2026-09-06です。画面はCLIP STUDIO PAINT 5.0.4のもので、バージョンによって項目名が違う場合があります。